介護コラム第7回「ケアスタッフに不安、違和感…虐待?の時」

「おや?」は大切なサイン。スタッフへの違和感、どう動くべき?
「お世話になっているのに、疑うのは失礼?」そんな遠慮で「違和感」を飲み込んでいませんか?身体的・心理的など虐待の種類を整理し、証拠がなくても「おや?」と思った段階でどこにどう相談すべきかを現役スタッフの視点で解説します。
もくじ
介護コラム第7回「ケアスタッフに不安、違和感…虐待?の時」
こんにちは。 前回は、「介護者自身が追い詰められてしまうケース」についてお話しました。 今回はその反対側―― 「担当しているケアスタッフの対応に違和感があるとき」 どう考え、どう動けばよいのかをお話しします。
虐待とはどんなものか
まず、虐待にはいくつかの種類があります。 詳しくは行政の資料なども参考になりますが、ここでは簡単に整理します。
身体的虐待:叩く・つねるなどの暴力、外出を不当に制限する行為など
心理的虐待:暴言、無視、威圧的な態度などで精神的苦痛を与えること
性的虐待:本人の同意のない性的な行為や、不適切な露出など
経済的虐待:本人の意思に反して金銭や財産を使う、使わせないこと
ネグレクト(放置):必要なケアを行わず、生活や健康を損なう状態にすること
こうした分類を知っておくと、「もしかしてこれは…?」と気づくきっかけになります。
☆「おや?」と思ったとき
実際には、「お世話になっているのに疑っていいのか」「誤解だったら失礼ではないか」そう感じて、言い出せない方が多いです。
ですが―― 「おや?」の段階で相談して大丈夫です。 はっきりした証拠がなくても構いません。違和感は、大切なサインです。
☆誰に相談すればよいか
まず考えたいのは、「誰に話すと安心か」です。
すでに信頼できる人がいる場合 例えば、ケアマネジャーや以前から関わりのある別事業所のスタッフ。
まだ信頼関係ができていない場合 状況によって相談先を分けるとよいです。
一つの事業者の問題として伝えたい場合:その事業所の管理者・責任者
複数の関係者に関わる問題として整理したい場合:ケアマネジャー、地域包括支援センター
☆相談するときのポイント
相談の際は、「今の希望」を一緒に伝えるとスムーズです。支援側も、あなたの意向に沿って動きやすくなります。
本人(スタッフや事業所)に伝えてほしいか
まずは共有だけで様子を見たいか
他の事業者にも知らせたいか
サービス変更や事業者交代を考えているか
☆違和感は大切にしていい
介護の現場では、大きな問題になる前に調整できることも多くあります。だからこそ「気のせいかもしれない」で終わらせないことが大切です。
もちろん、何事もなく「みんなでお疲れさま」と言える形で終われるのが一番です。ですが現実には「そうじゃなかった」「こんなはずではなかった」という場面もあります。
このコラムでは、これからもその「違和感」に目を向けていきます。
この記事を書いた人
みやちゃん
保有資格:介護福祉士/介護支援専門員/同行援助従業者養成研修(応用過程)
訪問介護管理者(歴10年以上)/ 介護支援専門員・介護福祉士 訪問介護の現場責任者として、10年以上にわたり在宅介護の「はじまり」から「終わり」まで、あらゆる局面を実務として経験。制度の枠組みだけでは解決できない、ゴミ屋敷化、近隣トラブル、家族関係の断絶といった、在宅介護の過酷な現実に数多く立ち会ってきた。 介護福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格に加え、視覚障がい者の外出を専門的に支える「同行援護従業者(応用課程)」を修了。専門的な知見と、10年の現場実績に裏打ちされた「判断力」が持ち味。 「みやちゃん」の愛称で呼ばれるが、その本質は「どんなに困難な状況でも、決して見捨てずに出口を探し抜く」という、ご利用者様やご家族様への徹底した伴走姿勢にある。 「本人の言葉」と「目の前にある事実」のズレを見逃さず、ご家族様が一人で抱え込む限界を突破するための確かな道筋を提示し続けている。

